生活の中のことば

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生活の中のことば131~140話

第131話 宿縁(しゅくえん)

 前世 つまり、生まれてくる前からの因縁(いんねん)を宿縁といいます。親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、お念仏(ねんぶつ)の教えにあって、お浄土へ生まれる因縁ができたことは、今生(こんじょう)におけるご縁だけでなく、前世からの因縁があればこそですと味われて、遠く宿縁(しゅくえん)を慶(よろこ)べと申されました。

―ひとくち法話No131より―

第132話 臨終(りんじゅう)

 お経の中に「臨壽終時(りんじゅじゅうじ)」という言葉があります。「寿終(いのちおわ)る時に臨(のぞ)む」と読みます。
 医師が、いままさに亡くなっていく方の脈をみていて、その脈が止まるとき「ご臨終です」と告げます。
 私たちの煩悩(ぼんのう)は「臨終の一念にいたるまで、きえず、たえず」という法語もあります。

―ひとくち法話No132より―

第133話 堪忍(かんにん)

 仏教では、この世は堪忍するところと教えています。「ならぬ堪忍、するが堪忍」という諺があります。思い通りにならぬことをじっと我慢して耐えていくことです。
 念仏者の源左同行(げんざどうぎょう)は「私が堪忍するどころか、人さまにこらえてもらってばっかりの私です」といわれたといいます。これは、念仏者の心のすわりを教えてくださった大事なひとことです。

―ひとくち法話No133より―

第134話 貪欲(とんよく)

 私たちは、自分のことならどこまでも、むさぼり求めていきます。特に名声や利益については、度を超えた底無しの激しい欲望心をもっています。
 そこで仏教では、貪欲は人間苦悩の原因であり、これをどのようにコントロールしていくかが人生の課題であると教えています。

―ひとくち法話No134より―

第135話 帰命(きみょう)

 「身命(しんみょう)を投げだして、仏の教えに従うこと」と『広辞苑』に出ています。その代表的な姿は、自分の頭(こうべ)を仏の足につけて礼拝(らいはい)する「帰命頂礼(きみょうちょうらい)」です。
 また、私たちが毎朝おつとめをする「正信偈(しょうしんげ)」の最初の文言(もんごん)は「帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい)」で始まっています。心しておつとめしましょう。

―ひとくち法話No135より―

第136話 久遠(くおん)

 はるか遠い昔のこと。「永遠(えいえん)」と同じ意味ですが、永遠は「永遠の平和」のように未来にも使います、それに対して久遠は、久遠実成(くおんじつじょう)、久遠無量(くおんむりょう)、久遠劫(くおんごう)などとすべて過去無限の意味で経典に使われています。

―ひとくち法話No136より―

第137話 三宝(さんぼう)

 仏教で、最も大事な三つの宝もの。  聖徳太子(しょうとくたいし)の『憲法(けんぽう)十七条』に、「篤(あつ)く三宝を敬(うやま)う。三宝とは仏(ぶつ)・法(ぽう)・僧(そう)なり」という有名な文言があります。仏とは、ほとけさま。法とは、ほとけの教え。僧とはほとけの教えを実践する者をいいます。

―ひとくち法話No137より―

第138話 瞋恚(しんに)

 三毒(さんどく)の煩悩(ぼんのう)の一つで、親鸞聖人は「いかり、はらだち、ねたみ、そねむ凡夫(ぼんぶ)のこころ」と申されました。
 このこころは、ひとつまちがうと何を仕出かすか分からない恐ろしいこころなので、「瞬間湯(しゅんかんゆ)わかし器」にたとえられています。

―ひとくち法話No138より―

第139話 無碍(むげ)

 邪魔するもののないさまをいいます。親鸞聖人(しんらんしょうにん)は「さわりなきこと」と左訓(さくん)されました。
 真宗(しんしゅう)のご本尊(ほんぞん)である「阿弥陀如来」の別名である「尽十方無碍光如来(じんじっぽうむげこうにょらい)」には、この文字がつかわれています。どんなものにも碍(さ)えられないおはたらきのほとけさまだからです。
 正信偈(しょうしんげ)に「帰命無碍光如来(きみょうむげこうにょらい)」とあります。

―ひとくち法話No139より―

第140話 臨終(りんじゅう)

 死にぎわ。生涯を閉じる時をいいます。
 お経の中に「心からお浄土に生まれたいと願って、お念仏を申す者には、臨命終時(りんみょうじゅじ)(いのち終る時に臨んで)ほとけがあなたの前に迎えにきます」という大事な文があります。

―ひとくち法話No140より―