生活の中のことば

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生活の中のことば 11~20話

第11話 高田山専修寺(たかださんせんじゅじ)

 修身、修養、修学など「修」は「しゅう」と読むのが一般的なので、「せんしゅうじ」と読む人が多くいます。
 しかし、私たちの本山は「専修念仏(せんじゅねんぶつ)(お念仏ひとすじのみ教え)」から付けれてた寺号ですので「じゅ」と読みます。
 「たかださん せんじゅじ」と正しく読むようにしましょう。

―ひとくち法話No11より―

第12話 念珠(ねんじゅ)

 真宗では一般に「数珠(じゅず)」のことを「念珠」といいます。もとは念仏の数を数える道具だったのです。
 念珠のひとつひとつの珠は私たちです。それが一つのひもで輪になってつながっているのは、お念仏という仏さまの心で、みんな仲良く輪(和)になっているということです。だから、手を合わせるにふさわしい道具ともいえます。

―ひとくち法話No12より―

第13話 礼拝(らいはい)

 教会の結婚式に出席したら牧師さんが礼拝(れいはい)と言いました。礼状、礼儀など「れい」と使うのでマスコミも礼拝(れいはい)といっています。
 しかし、仏教では昔から合掌(がっしょう)・礼拝(らいはい)と「らいはい」と読むのが慣わしです。読み方が違うので気を付けましょう。

―ひとくち法話No13より―

第14話 安心(あんじん)

 一般には「安心(あんしん)」です。心の迷いや悩みが晴れた状態をいいます。
 仏教では、ほとけの教えにハイとうなずく心を「安心(あんじん)」といい、「信心(しんじん)」と同じ意味で使います。だから安心という二字は同じでも意味に違いがあることを知って聴聞(ちょうもん)しましょう。

―ひとくち法話No14より―

第15話 尊重(そんじゅう)

 一般には「尊重(そんちょう)」と読み「人権尊重」などと使います。「尊重(そんちょう)」は人間同士がお互いに相手を大切にする意味です。「尊重(そんじゅう)すべきは世尊(せそん)なり。」この文は、私たちが親しんでいる和讃の一行です。「尊重(そんじゅう)」は、仏さまを尊み敬うこころをいい、信心と同義に用いられています。

―ひとくち法話No15より―

第16話 億劫(おっこう)

 普通は「億劫(おっくう)」と読んで「気乗りのしないこと」をいいます。
 この言葉のもとは、仏教からで「おっこう」と読みます。劫(こう)は、極めて長い時間のことで、それを億倍したものが億劫(おっこう)ですから「無限」「永遠」という意味で用いられています。
 親鸞聖人が、「真実の浄信、億劫(おっこう)にも獲(え)がたし」とのべられたのは有名です。

―ひとくち法話No16より―

第17話 我慢(がまん)

 じっとこらえて、辛抱(しんぼう)することを「我慢強い(がまんづよい)」などといって、人間の修養(しゅうよう)には大切な心構えのようにいわれています。
 しかし、もとは仏教語で「自慢」の意味で使われています。自分の才能をたのんで、他人に押しつけたり、我執(がしゅう)によって自分をおごることです。
 この心は、ほとけの教えに逆らうので「念仏を信ずることかたし」といましめられています。

―ひとくち法話No17より―

第18話 布施(ふせ)

 ほどこし。信者(しんじゃ)は僧(そう)に財物をめぐみ、僧は信者に法を説く。ともに布施ですが、現在では僧へのめぐみを「お布施」と使います。代表的な仏教語です。
 自力宗(じりきしゅう)では、仏へ近づくための修行に六波羅密(ろっぱらみつ)という6種の行(ぎょう)〔布施・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)〕があり、そのひとつが布施です。

―ひとくち法話No18より―

第19話 出世(しゅっせ)

 ほとけさまがこの世に出られたことを出世といいます。また我々が世間を捨てて仏道にはいることにも使います。
 現代では金銭的に裕福になるとか、地位をのぼることを出世といいますが、欲得を離れた本来の意味からいえば寂しい限りですね。

―ひとくち法話No19より―

第20話 領解(りょうげ)

 一般には、「りょうかい」と読み「了解」と書くのが普通です。仏教では「りょうげ」と読みます。
ほとけの教えを知識として理解するだけでなく、心から『その通り』と納得するさまが領解(りょうげ)です。
真宗では「信心」と同意語として用いられています。

―ひとくち法話No20より―