只今、如来堂では、国宝専修寺如来堂美観向上整備事業として、令和7年度・8年度の2カ年の事業にて、国・県・市の補助を頂き、令和9年3月31日まで、桟唐戸という建具及び建具金物の修復工事をおこなっています。
如来堂の概要
桁行五間、梁間四間、一重裳階付き、入母屋造、向拝三間、軒唐
破風付き、本瓦葺
如来堂は御影堂の西にあって、両堂並立の真宗伽藍配置を取っている。この堂は御影堂より遅れ、享保4年再建の計画があり、元文5年地築、寛保3年柱立ち、延享元年(1744)上棟が行われ、同5年(寛延元年)落成した。唐様仏殿形式の堂は、御影堂に比桁べると規模はやや小さいが、それでもかなりの大堂である。細部手法についても江戸時代の典型的作品と称するにたりる。真宗伽藍の一環として重要であり、また工匠名の明らかな点でも貴重である。
昭和36年(1961)に重要文化財に指定された後、平成29年(2017)に御影堂と共に三重県内初の国宝建造物に指定された。
事業の概要
事業名 国宝専修寺如来堂美観向上整備事業
所在地 三重県津市一身田町
指 導 文化庁
補 助 国、三重県、津市
修理内容 桟唐戸の修理
事業期間 令和7年7月から令和9年3月(予定)
事業主 宗教法人真宗髙田派本山専修寺
施 工 株式会社竹中工務店三重営業所
設計・監理 公益財団法人文化財建造物保存技術協会
前年度(令和7年度)の修理
令和7年度は、正面東より4間の桟唐戸の補修を終え、西面の補修に差し掛かりました。不具合が生じていた建付けの是正、鏡板や彫刻の割れ補修、金具の補修・新調等を行いました。令和8年度は残りの桟唐戸の補修を進めています。
いまこんな修理をしています(令和8年度)
今回の文化財修理の目的は?
如来堂は延享5年(1748)年の建立以降、大小多くの修理が行われて今日まで受け継がれています。近年では、昭和58年から平成2年にかけて半解体修理(屋根瓦葺替や部分的な木部解体補修など)が行われました。一般的に、100~150年周期で大規模な修理、50年程で屋根瓦葺替等の維持修理(植物性の屋根の場合は30年周期)が必要と言われています。今回の修理は、前回修理から35年程が経過し、日常的な管理・公開活用をするなかで不具合が生じた箇所の整備を目的とする事業です。
専修寺には御影堂、如来堂2棟の国宝のほか、11棟もの重要文化財の建物があります。これらを後世に残していくには、多大な労力が掛かります。
巨大な建具の重さは?
如来堂の桟唐戸には檜と欅が使われており、高さ3.5m程の大きなものです。間口によって大小の幅があり、小さい方で170kg程(片側)、大きい方は200kgもの重量があります。それを片側の軸で支えているため、経年により垂下等の不具合が生じ、定期的な修理が必要になります。取外し・吊込みとも桟唐戸を傷つけないよう慎重に行なわなくてはならず、数人がかりで一苦労です。ちなみに、御影堂の桟唐戸はさらに大きく、高さが4m以上もあります。はたして重量はどのくらいになるでしょうか?
欠けた彫刻の補修はどうする?
桟唐戸には上部に菊花葉紋の彫刻が取り付いています。木の痩せ等により割れて一部欠失したものが見られました。文化財修理では、彫刻の形状、工法をはじめ、破損前の状態に忠実に復すことが原則となります。板に残る痕跡や他の建具の彫刻をもとに復原図を作成したうえで、加工を行います。彫刻毎に製作者や年代の違いにより細部の加工が少しずつ違っていたたため、補修する箇所はそれぞれで違和感のないように合わせています。また、加工した補足材は、古材と調和するよう柿渋や墨等で仕上げています。
専修寺如来堂の修復事業は、文化庁の文化資源活用事業費補助金や、三重県の地域文化財総合活性化事業補助金等を受けて実施しています。

