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在家勤行CD試聴

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真宗高田派 在家勤行

はじめに 第24世法主 常磐井 鸞猷
 昭和20年代頃までは、夕景にどこの町を歩いても、お夕時のお勤めの、文類さんやご和讃を唱和されるご家族の声がしめやかに流れて来たものです。朝には朝の、正信偈の声がさわやかに各戸からひびいて来ました。そんな声を聞きながら歩くのは、まことに心うれしいものでした。
 そのお勤めの声が、最近はとんと聞けなくなったように思います。今回のご遠忌を機縁に、各家庭の朝夕のお勤めをぜひ復活していただきたいと願って、その規範となるCDを制作いたしました。
 親鸞さまが最もおよろこびになるのは各家庭にお念佛の声が行きわたることです。最初は朝夕にこのCDをかけて下さるだけでもよいと思います。佛前に坐って、静かに唱和の時をすごして下さるよう心から願っております。

佛前の作法
 お佛壇にはお花を捧げ、毎朝お佛飯をお供えし、お灯明をともし、お線香を適当な長さに折って火をつけ香炉に横たえます。お線香を立てるのは高田の作法ではありません。
 焼香は葬儀や年忌の時などに行ない、通常は必用ありません。
 焼香をする時は必ず三回、香合から香炉にやさしく運び、つまんだお香を高く上げて頭を下げたりはしません。焼香ののち、合掌礼拝します。念珠は親玉を上にして持ち、二連の念珠は總を左右に分けて拝みます。
 合掌礼拝ののち、リンを打って勤行を始めます。リンを打つのは自分の心を静め、列席者の心を落着かせるためで、中音・小音・大音の順に打ち、間隔も中音と小音の間を1とすれば、小音と大音の間を2くらいに空けて打ちます。
 偈文や和讃の前後に三打しますが、短念佛に続ける場合は、偈文・和讃の終りに二打(中音・小音)し、短念佛の初め「ナマンダーブー」のブで三打目(大音)を打ちます。
 回向文の初めには打たず、回向文の終わりに三打して合掌礼拝、勤行を終わります。

偈文・和讃のとなえ方
 高田の声明は天台声明の系統に属し、おだやかななだらかさを特徴としております。このCDに収録したのは在家勤行に準じたもので、最も一般的な形です。

朝のおつとめ
 『歎佛偈』は佛説無量寿経の一部で、四十八願の直前に出る偈文で、法蔵菩薩が世自在王佛を讃歎し、自己の発願を明らかにされる偈文です。
 『正信偈』は親鸞聖人の主著「顕浄土真実教行証文類」の行巻に見える讃歌で、弥陀釈迦から受け継いだ七高僧の念佛の教えの尊さが説かれています。
 右の偈文には節を付けませんが、テンポは本山では一呼吸四句を標準とし、末尾四句でテンポを落として結びます。「仙経」はセンギョウ、「源信」はゲンジン、「善悪」はゼンナクと発音して下さい。
 『五首引和讃』は文類、引声念佛等とともに、独特の節廻しで知られています。本来は在家勤行ですが、今日では寺院でも使われるようになりました。
 『五首引』は「浄土和讃」「浄土高僧和讃」「正像末法和讃」の順に五首ずつを順読するのが本来の形です。五首読んであと三首余るような場合は八首読みます。こうして「三帖和讃」をすべて読んでしまうのです。ここに収録した龍樹讃第六首以下は最もよく用いられるものです。
 『五首引』の筋は地方によってまちまちですが、余り長く引っ張らぬよう、このCDを標準としたいものです。
 読み方として「菩薩」は「ボサッタ」ととなえ、「念仏三昧」は「ネンブツサンマイ」で「ザンマイ」とならぬよう注意して下さい。
 『回向文』は朝のおつとめには「世尊我一心」を、夕のおつとめには「願以此功徳」を用います。
 『御書』は「高田御書」の中から随時適当なものを拝読します。親鸞聖人の御書をいただく時には、最初に「聖人の御書」と読み上げます。「親鸞」のお名前は発音すべきではありません。
 ここに収録したものは第十三世堯真上人の御書でよく用いられています。

夕のおつとめ
 『重誓偈』は佛説無量寿経の一部で、四十八願文に続く偈文で、法蔵菩薩が一切衆生の救済を重ねて誓われたものです。朝のおつとめに用いても差支えありません。
 『文類偈』は高田の代表的なおつとめで、哀愁を帯びた曲調が広く親しまれています。この偈文は親鸞聖人の著「浄土文類偈聚鈔」に見え、内容的には正信偈と大差ありません。
 文類は寄せては返す波のように朗々とゆるやかにとなえ、決して急ぐべきではありません。「善導独明」以下は調子が高くなると共に一層テンポがゆるやかになります。節のつくのは「菩提妙果」以下からで、「為衆告命南天竺 龍樹菩薩興出世」の二句のみ節が変わります。「十方同称讃悦可」は「サンネッカ」とならないよう、「サンエッカ」と明瞭に発音します。

勤行 本山恭敬部知堂
調声 玉置 真祥
助音 清水谷博祗 水沼秀明 浦井宗司
   東雲正乗 藤井哲也 佐々木善徳
   青木義成 北畠大道
御書拝読 玉置 真祥
(平成23年11月25日、本山にて収録)

平成24年4月 発行
企画・著作 開山聖人七百五十回遠忌報恩大法会事務局
制作 株式会社東海パック

お求めのお問い合せ先:真宗高田派専修寺 総合案内所
〒514-0114 三重県津市一身田町2819番地 電話059-236-5701